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ルジュ突破会(困難なゴルジュを突破することに、喜びを感じる変態的マニアックな集団)の結成以来ゴル突のメンバーは、黒部川、早出川流域の困難な渓谷に記録を残してきました。
   江本氏の退会によりゴル突の活動は、終止符を打たなくてはならなくなってしまいましたが、新たなメンバーによるゴル突再結成の動きもあり、再び活動を活性化させたいと思っています。




して今回は、「フリークライミングの部」を結成します。
またこんなものを結成すると反乱分子かと思われるかもしれませんが(ゴル突の時も一部の人たちからこのような声がありました。)、そうなんですよ松元さん!(笑い)まあ、これは冗談です。私は自分を育ててくれたーでクライミングをするつもりだし、退会しろといわれても辞めませんのであしからず。(しかしこんなにこの会が好きなのに集会の未出席、会費の未納入はNO1と言われている。ゴメンナサーイ)
   話は横道にそれてしまうかもしれませんが、すべての面で自分の条件に合った山岳会などあるわけが無く、長年所属していれば、自分が追求するものが変化したり、環境(家庭を持つ、年齢による体力の衰え、金欠病など)の変化によって、会の活動の主流から外れてしまう場合もあるでしょう。しかし、大切なことは、だからといって退会するのではなく、自分が追求するものがこの登高会 ーになければ、自分が主体性を持って、所属する会の中で切り開いていくことだと思います。そうすれば、必ず共感を感じて、行動を共にしてくれる人が現れるはずです。ゴル突のように短期間の活動に終わったとしても、共感を感じているもの同志での活動は、十分に満足の行く結果を残すことが出来ました。
 私はいつまでたっても会の主流に乗れない会員ですが、いつも主体性を持って活動してきたつもりです。(衝立オタク、早出川オタクなどいつもオタク的活動にどうしてもなってしまうのですが・・・トホホ)でもそれが自分流の会への貢献方法だと思っています。(新入会員が黒部の大渓谷にすぐ行けるのは、ゴル突の結成無くしては考えられなかったと思うのですが、どうでしょうか?)



ー、だいぶ話が横道にそれてしまいましたので、そろそろ本題の「フリークライミングの部」結成の目的から説明したいと思います。目的はただ一つ、当会のフリークライミングの力をレベルアップさせるためです。なぜフリークライミングの力をレベルアップさせる必要があるのか?
 私が当会に入会して山口、中川、桜井氏と共に活動をはじめた頃は、衝立の雲稜第一、第三スラブなどが目標であり、登攀を目的とした山岳会としては、第一歩を踏み出したばかりの会であった。その後、旧会員、現会員によって無雪期のクラッシックルートといわれるようなルートは、ほぼトレースされてきた。また、黒部や早出川流域などの困難な渓谷にも記録を残し、これでやっと他の山岳会と肩を並べられる所まで来たと思います。(いや、まだかもしれない。松元さんどうでしょう?)
 そしてさらに先鋭的なクライミングを展開している山岳会に追いつくためには、二つのポイントがあると思います。一つ目は、現会員が冬季登攀にもっと実績を作ることです。二つ目は高難度のフリー(5.10〜)と人工(AA1〜)の技術を必要とされるルートを登ることです。まあ私は雪が苦手なので一つ目のほうは遠慮しますので、誰かフリークライミングの部に対抗して、アイゼン友の会(一年中アイゼンをはいて行動するアイゼンのスペシャリスト集団。こっ、これは恐い集団だ。)でも結成してがんばって下さい。
という事で、二つ目のことについてですが、これは私の深い経験から来る理論なので、大ウソの可能性がありますから注意して下さい。異論がある人は、会報上で聞かせて下さい。まあとりあえず聞いて下さい。例えばX級A2を登れる人が、5.11a・AA2のルートを目標とした場合、フリーのレベルと人工のレベルのどちらが先に目標のレベルに達すると思いますか?  私自身、衝立の不思議ロードの3ピッチ目を登った経験から申しますと、A2をAA2にするには、登ること自体の能力(登る動作)よりもいかに道具(ピトン、カム類を)使いこなすかという頭脳の勝負だと思います。(動作自体はA2なのだから。不思議ロード3ピッチ目に限って言えば、ボルトラダーになっていればA1だと思います。)したがってA2を登れる人ならば、道具の使い方の研究をすれば比較的短期間でA2をAA2にすることが出来ると思います。(私自身もそのようにしてAA2のピッチを登りました。しかし、スカイフックに乗るのだけは、道具の研究のほかに精神的な強さを鍛えなければならないが・・・まあ、たまたまかもしれませんが、A2を登れる人が道具の研究をすることでAA2を登れたのは事実です。)一方、X級を5.11aにレベルアップさせるのは、並大抵の努力では達成できないであろう。頭脳の勝負ではなくて、長期にわたって計画的に己の肉体を鍛えていかなくてはならないのだから。しかも、本チャンのルートであれば、オンサイトフラッシングに近い状態で登りきれる力が必要とされるのだから、(ボルトごとにテンションをかけて登ることも考えられるが、それはフリーで登ったとは言わない。人工です。)おそらく、5.12aをレッドポイントするぐらいの力がなければ、お話にならないわけです。そう考えると、5.8が精一杯の人が5.11aを登れるようになるには何年かかるやら?うーん、気が遠くなってきた。(私自身、現在5.10dをレッドポイントするのが精一杯で、100%オンサイト出来るグレードは、たぶん自信はありませんが、5.8でしょうか。トホホ・・・)
と言うことで、最初の問いかけに対する答えは、おのずと出てくるわけです。ですから現会員で、無雪期の高難度のフリーと人工がミックスしたルートをいずれは登りたいと思っている人は、まずはフリーの力を高めることです。極端なことを言えば人工の練習など、5.12aを登れるようになるまで必要ありません。この事は、年が若くこれから大きく伸びていく可能性がある人には、特に言っておきたいです。フリーの力を最初に実に付けておかないと、大きく伸びることは出来ないですよ。私はこのことに気付くのが遅すぎたのです。

くなってしまいましたが、とにかく高難度のフリーと人工合ミックスしたルートを登れるようになるためには、私自身も含めてフリーの力を高めていく必要性を感じます。そして、現会員がそのようなルートを登り、今後そのようなルートを登りたいと思って入会してくる新人を育てられる下地を作ることが今のーには必要であると思います。(私は年なので、これから本当に5.12aが登れるようになるか自信はありませんが、せめて下地作りをする力にはなりたいと思っています。)
以上が「フリークライミングの部」結成の目的です。と言うわけで、フリークライミングのレベルアップをはかるために活動を開始しますが、その方針を発表します。(ジャンジャジャーン!発表します。)


  1. ショートルートからマルチピッチルートまで、とにかくデシマルグレードの付けられたフリーのルート及びフリーのピッチを含むルートを登る
  2. 自己のフリークライミングの力を向上させるため、またお互いに励みになるように、完登したルート(ピッチ)のグレードによって点数を与える。
  3. 強靭な肉体を作り上げるため、自己トレーニングに励む。またオ○ム○○教のように空中浮遊術を身に付けられるように修行をする。

完登の定義

  1. スタート地点から終了点までフリーで登る。したがってフォール、テンション、A0(クリップするときにヌンチャクをつかむ、ボルトをホ−ルド、スタンスにする。)などがあった場合は、完登とみなされない。
  2. プロテクションがプリセットされているかいないかは、問わない。また1本目のプロテクションへのロープのプリセットは、状況に応じて行ってもかまわない。
  3. 終了点へクリップする時、終了点をつかんではならない。またヌンチャクを掛けてそれにクリップしても、セルフをとってもならない。あくまでも終了点にフリーでクリップすること。ただし、終了点のカラビナのゲートが閉まっていたり、シャックルの場合は、ヌンチャクを掛けてそれにクリップした時点で終了点にクリップしたとみなす。

    まあ、一般的な完登の定義だと思います。原則は「自己に厳しく」と言う所でしょうか。


点数制度

  1. 完登したルートのグレードにより点数が与えられる
  2. 5.9を0.5点、5.10aを1点、5.10bが2点として、1点ずつ与えられる点数が増える。(5.10a/bなどとグレーディングされている場合は、中間の点数が与えられる。例えば5.10a/bであれば1.5点になる。また5.10−は5.10a/b、5.10+は5.10c/dとする。
  3. 与えられる点数には、オンサイト、フラッシュ、レッドポイントの区別はしない。ただし、点数表には完登したルート名の下に記号で表記する。

点数制度についていくつか補足説明をします。
 まず点数制度導入の趣旨ですが、あくまでも自己の励みになるようにという目的で導入しました。したがって、この点数制度が原因で殴り合ったり(オイオイ)、ホモになったりするなど好ましくない状況が出てきた場合は、廃止するつもりです。また、毎週ゲレンデにいける人とそうでない人で差がつくのは当然ですから、あくまでも自己の励みになるようにと言うことですので誤解のないようにお願いします。
 次に与えられる点数についてですが、同グレードであればレッドポイントよりもフラッシュ、フラッシュよりもオンサイトのほうに高い点数を与えるのが正当な評価のはずです。またそのような案が倉島さんより出されました。しかし、そうすると恐ろしい光景が出現するので止めました。その恐ろしい光景とは、一緒に行ったメンバーをビレイする時、ビレイヤーを含めて後ろを向いているような光景です。分かりますよね?ビレイするためにその人ののぼりを見てしまったら自分はオンサイトにならないからです。あー恐ろしい!
 と言うことで、前記した通りあまり点数にこだわらないで、仲良く活動すると言う趣旨を阻害する恐れがあるのでオンサイト、フラッシュ、レッドポイントの違いによる点数の差は付けませんでした。しかしレッドポイントよりもフラッシュ、オンサイトのほうが格段に価値があり、その人の能力を明確に示しているわけですから、点数表に明記することにしました。まあ、点数による差がないのですから、あまりこだわらないで仲良く、しっかり見てビレイしてあげましょう。
最後にいつから点数を付けるかについてですが、現在の部員4名については、会として初めてのデシマルグレードを持つルートが開拓された記念すべき蛇岩で、開拓と同時期に登られたルートから点数を付けることにしました。現部員の中には、それ以前登ったルートがある人もいますが、完登の定義など曖昧な点があったと思われますので、そのようにしました。またこれから参加をする人は、現部員と同様に参加した時点から点数を付けたいと思います。


上が活動方針です。現部員は4名ですが、いずれは高難度のフリーと人工がミックスしたルートを登りたいと思っている人、また近郊のゲレンデでフリーだけをやりたいと言う人も歓迎しますのでどしどし参加をして下さい。特に本チャンは体力的に厳しくなかなか行けないおじさんクライマー達にとって、楽しい場になってくれることを期待しています。それから今まで書いてきたことで誤解を招くことの内容に一言追加しますと、フリークライミングの力をレベルアップさせることを会員全員に要求しているのではなく、あくまでも当会をレベルアップさせることに意義を感じ、そのような活動をしたいと思う人に呼びかけています。ですから、文頭でも書いたように自分の追求するものに主体性を持って活動することが大切なのであって、現在目標を持って活動している人に、目標を変更してまでフリーをやってくれと言っているわけではありませんし、現在の活動を否定しているわけでもありません。(その証拠に私はゴル突の活動もしている。)衝立の全ルーと登攀など立派な目標であり、5.12aを登ることよりも困難だと思います。しかし、これから大きく伸びていく可能性を秘めた年の若い人には、私が今ごろ気付いた(登攀の基本はフリークライミングの力)失敗を繰り返して欲しくないと思い、会報に投稿したしだいです。そこの所誤解のない様にお願いします。



最後になりますが、当部が楢抜山・蛇岩に開拓した3本のルートについての簡単なコメントと現時点の点数表を記しておきます。なお、いずれもう少しルートが増えたら(今の所あと4本ほどラインを引く位置が決まっています。)「岳人」などの紙上に発表しますので、詳しくはそちらを見て下さい。なお、インターネット上の小林 敏氏作製のルート図にはすでに掲載されています。

「覗き穴」 5.9 設定−松野
初登−松野
記念すべき当会初の開拓ルート。1本目をクリップした後の1 ムーブが5.9、あとはガバルートです。
「切り株」 5.10a 設定−宮城
初登−宮城
リッジ左の凹状を登る。出だしのハングを超え最後はリッジの 右に出て終了。最後が核心。
「僕おだっちゃいました」 5.10b 設定−松野
初登−宮城
前傾フェースからガバを取りにいく。2本目にクリップしてから のハング越えが核心。

追記   当会に参加希望の方は松野まで連絡を下さい。


記  松野 卓司 
1998/6/20  登高会 ー 会報 NO.137より