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第一回ゴル突山行(定例山行)
場 所
日 時
メンバー 
:川内・下田 仙見川(中俣沢)
:7月20日〜22日
:松野(L)・常世田(S.L)・村上、羽場・西山・矢野

第1日目(7/20)

前夜、村松サクランド温泉の軒下で入山祝いをする。早出川流域に入谷する場合の恒例となってしまった。出発準備を始めるが、早出川流域随一のヒル地帯に突入するということで、完全武装になる。はやくもガムテープを巻き付け、士気を高めているメンバーを見て私も武者震いがしてきた。2台に分乗し、門原の車止めへ。いよいよヒル地帯に突入するが、すぐにあちこちから悲鳴があがりはじめた。私は先頭を歩いていたが自分のことで精いっぱい(ヒルを撃退すること)で、人のことなどかまっていられない。ヒル地帯は、早く通り過ぎるに限るとあって、中俣沢の出合まで休みなしに行く。
 中俣沢の出合につくと、暑さに耐えきれずに水に飛び込む。大休止を兼ねてヒルチェックをすると、出るわ出るわスパッツとガムテープの間からヒルが、みんなで悲鳴をあげながら処刑した。
 中俣沢に入ると、いよいよ下部の核心である静淵が現れた。トップを行く常世田は、足が着くと言ってどんどん行くが、身長180センチの彼と我々は条件が違う。つま先がやっと着くような状態なので、流されそうになるが、やっとのことで50メートルを突破した。しかし!!後ろを振り返ると村上と西山の2名が付いてこない。村上は、途中にひっかかっている流木にしがみついて、何か叫んでいる。どうやら手を横に振りながら「寒い、寒い!ロープ、ロープ!」と叫んでいるようだ。突破に成功したメンバーは、その姿を見て笑っている。しばらく、来い来いと叫んでいたが、かわいそうだと思い、みんなでニヤニヤしながらロープを流す。エサにはザックをつけたが、すぐにあたりがあり、2人の人間が釣れたのであった。
 しばらく行くと、流れの激しい第2の核心の淵に着く。先ほどよりも流れがきついので、常世田がザイルを付けて行くが、リタイアする。続けて、羽場、矢野、松野とトライするが、全滅する。しょうがなく高巻きをして通過する。その後は困難な場所もなく、昼食中に松野が岩魚を釣り上げ、今晩のおかずとする。
 そろそろ今夜の寝床を探しながら行動し、右岸の河原に6人は充分に寝れる場所を見つけ、本日の行動を終了する。松野、常世田は、おかずを調達しに行く。次々と岩魚がヒットし、あっと言う間に10尾をつりあげた。2尾は刺身用にと、いけすに入れてビバーク地にもどる。その夜は、刺身(村上持参の本物のワサビで)、蒲焼き丼、塩焼き、岩魚汁と、フルコースにみんな大満足でした。

第2日目(7/21)

つものことながら、のんびりと起床する。いくら夏の渓だといっても、朝は暖かいラーメンが最高だ。今日は、粟ヶ岳を越えて静沢に下降してビバークする予定(岩魚がまた食えるぞ!)だが、この後に待ち受けていることも知らずに、のんびりと出発する。
 しばらくは困難な場所もなく、昼食にソーメンを食べ、上流部に突入する。私の頭の中は、「今夜の岩魚は何尾になるかな」などと、のんびりしたことを考えていたが、突然予期せぬ連瀑帯が始まった。直登が困難な滝が連続し、挙げ句の果てには、予想はしていたものの悪い雪渓までも出てきた。一箇所、非常に悪い高巻きで、大人数ということもあり、だいぶ時間をロスしてしまった。このことは、今回の反省点となった。そのときの経験から、大人数でスピーディーにしかも安全に高巻きをするには、どのような方法が良いかを、私自身考えさせられた。その結果、考案した方法がターンバック方式である。(来年のゴル突山行の前には、その方法で訓練を実施したい。)
 そんなこんなで、上部の二俣に着いたのが、かなり遅くなってしまい、予定を変更してビバークとした。岩魚の無い夕食は寂しいが、酒はたっぷりあるし、つまみはたくさんでてくるしで、満足した。予定は未定なのである。行ってみなければ分からない。そんなおおらかな考えが、大渓谷には似合う。

第3日目(7/22)


沢の下降はあきらめ、今日中に粟ヶ岳から権の神岳を経て、下山することにする。車の回収の問題はあったが、「なんとかなるべえ」と気楽に考え、稜線を目指す。稜線直下は急な潅木帯となり、けっこう大変な思いをした。みんないいかげんバテバテになった頃、トップを行く常世田から「でたぞー」の声が、握手を交わし大休止にする。権の神岳の急登をこなし、3時間の山歩きで下山した。
 さて、車の回収をどうするかが問題だったが、私の作戦は決まっていた。「人の車を借りる」である。しばらく車道を歩いていくと、一軒目の家がみえてきた。「しめしめ車がある」と思いながら、おばあちゃんを発見する。「車を貸してくれ」と声をかけるが、相手が悪かった、話が通じない。あきらめる。さらに行くと、2、3台車がある家を発見した。私と羽場で玄関まで行くと、女の人が出てきた。「車を貸してくれ」とまたもや話をすると、家の奥に入っていった。そしたら、どうみても酔っぱらっているじいさんが出てきた。恐い顔して、「車もってこい」(私にはそう聞こえた)と言っている。意味がわからないが顔が恐い。これは怒っているぞと感じ、逃げようとしたが、そのじいさんは、車の所に行って、「これだ、これだ」というようなことを言っている。よくわからないが、貸してもらえるのだろうと勝手に思い、「助かります」と大声で言い、さっそく私、常世田、羽場の3人で乗り込む。2時間程度かかって3台の車で戻ってくると、残っていたメンバーが満足そうな顔をしている。なんと、その家でソーメンとスイカを頂いていたのだった。しかし、田舎の人は親切です。見ず知らずの人に車を貸し、ご馳走までしてくれるのですから。お礼に、ガソリンを満タンといくらか包みました。無事、車の回収に成功した我々は、温泉に行き、のんびりと宴会(反省会)をしました。
 今回の仙見川は、沢のガイドブックには載っていないが、グレードとしては5級はあったと思われる。しかし、個々のメンバーの登攀力の高さから6人という大人数のわりには、行動は早かった。
私にとって仙見川は、長年の憧れであった。そして、期待を裏切らない素晴らしい渓であった。この素晴らしい渓に私と同行してくれたメンバーに、そして仙見川に感謝したい。「ああ!仙見川」

 

 

第2回ゴル突山行

場 所
日 時
メンバー
:川内・下田:砥沢川(吉原沢右俣)
:8月24日〜26日
:松野(L)・常世田(S.L)・鈴木・西山

第1日目(8/24)

夜に八木鼻の近くにある温泉の軒下で入山祝いをする。下田の沢に入谷する場合の恒例である。台風による増水を心配しながらも、酒を飲んで寝る。
出発準備を笠堀ダムで行うが、今回はヒル地帯が無いので気が楽だ。そのかわり、いつアブの大群が襲ってくるかわからないので、雨ブタに防虫ネットを準備する。ダムの左岸の道を1時間半ほどでバックウォーターが見えてきた。踏み跡が不明瞭になってきたあたりで、常世田が絶妙な下降点を見つけた。
 大休止の後にいよいよ下部のゴルジュに突入する。側壁が高くなり、幅は両手が着くほど狭くなり、すごいゴルジュになった。見たこともない光景に感激しながら進むと、落差2メートルほどの光明滝にぶつかる。常世田がザイルを付けて釜を泳ぎ、さらし場から何と水流の真ん中に頭を突っ込んだ。どうやら水流の裏に空間があったらしい。後続はザイルに引っ張られて、すごい水流に溺れそうになりながら、なんとか突破する。
その後もゴルジュを楽しみながら行くと、突然「ゴー」という大きな音が聞こえてきた。何の音だろうかと思いながら進むと、水流が極端に狭まり、すごい激流となっている場所が見えてきた。
 左に直角に曲がっているので先は見えないが、足をすくわれたら「アッ」というまにながされそうである。ふたたび突撃隊長の常世田がザイルを付けて行くが、左に曲がってからは姿が見えなくなる。ザイルの動きだけが様子を知る唯一の手がかりだ。そのうち吹っ飛んでくるのではないかと心配したが、しばらくするとコールがあった。鈴木、西山、松野の順に突破するが、西山は激流でメガネを吹っ飛ばされた。

 2つの核心を越えると、穏やかな河原になった。曲がり滝の滝壷から岩魚を釣り上げ、刺身を食べながら昼食とする。(この岩魚が唯一の成果となるとは知らずに・・・)その後、のんびりと夕食のおかずを釣りながら行くが、まったく釣れない。「おかしい、おかしい」と思いながらも、本日の行動を終了する。岩魚のない夕食は寂しいが、その分酒をたらふく飲む。

第2日目(8/25)

日の行動予定を神楽沢の出合までと決め、のんびりと出発する。釣りをしながら、大休止を何度も取りながら行くが、まったく釣れない。こんなことは初めてだ。「おかしい、おかしい」と言いながら、金蔵沢や中俣沢にも入ってみるが、まったくだめ。結局、吉原沢の出合まで来てしまった。今日も岩魚が食べられないのかと思っていた。しかし、ここで常世田の必殺技が飛び出した。手掴みでなんとか1尾を確保した。本日の幕場を吉原沢の二俣とする。

第3日目(8/26)


日は稜線に出て、下山をする予定だ。吉原沢の右俣に入ると、急激に高度を上げて小滝が連続する。小滝といっても淵の奥に滝がかかり、側壁がツルツルのゴルジュ状であるため、水中ショルダーからボルダリングのような技を繰り出しながら突破する。
いくつかの滝を越え、側壁が異常に高くなるとスラブに囲まれはじめた。そしたら目の前に「アッ!」と驚くような大空間が出現した。なんと表現したらよいのか、円形劇場とでも表現しようか。両門の滝を取り囲むように、100メートル以上はあるスラブが円形に広がっている。しばらく、この見たこともないような光景に見とれてしまった。(一見の価値あり!信じられないような景色です。)大休止を兼ねて、我々はこの大空間に浸った。
40分をかけてこの大空間の上部に出ると、おだやかな小川になっていた。水が消える直前に昼食にする。西山が焼きそばをつくっている間に、なんと!鈴木が、「松野には内緒で飲んじゃお」とわざと聞こえるように、2回も言いながら。ザックから酒を出してコップに入れ始めた。常世田もニヤニヤしている。「飲みたいときに飲む!」がモットーのゴル突でも、稜線に出る前に飲む人は見たことはない。円形劇場は人を狂わせるのか!はたまた、会長の勝手な振る舞いなのか。私も回ってきたコップをニヤニヤしながら口にした。 昼食後、出発すると幅が1メートルほどのナメ滝が延々と続いた。薮こぎを少々したあと、五兵衛小屋跡の付近に飛び出した。
下山する道に少し迷ったが、川クルミ沢を目指す。達成感からか、途中で雨が降ってきたが、その雨までも嬉しい。 3時間ほどで舗装された道に出た。雨もあがり、笠堀ダムを目指して歩き始めると、タイミング良くトラックが走ってきた。すかさず止めて、荷台に乗せてもらう。荷台で揺れながら、「なんて俺達、運がいいんだろう。」と常世田と顔を見合わせてニヤニヤしてしまった。その後は、おきまりのコースで八木鼻の近くの温泉で宴会をした。今回は岩魚には恵まれなかったが、素晴らしい渓に出会うことができました。
またいつか、あの円形劇場に訪れてみたいものです。「ああ!砥沢川」