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第一回ゴル突山行(訓練山行)
場 所
日 時
メンバー 
:奥多摩:日原川本流
:8月10日
:松野(L)、常世田(S.L)、羽場、西山、矢野
松野 記
今年度は天候にめぐまれず、定例山行(杉川本流〜赤倉川下降)を中止にしました。その代わりに南アルプスの「栗代川」を計画しましたが、またまた天候が悪くこれも中止に・・・
「あーどうなっているんだ!!」と言う気持ちになりました。
なんとか1本は行きたいと思いながら考えた結果、思いついたのが「増水した日原川」での渡渉訓練でした。これだけ水量の多い沢に毎年行っているからには、一度は渡渉訓練をしなければいけないと思っていたことと、「仙見川」での反省から考えた「ターンバック方式」の訓練も同時にできると思ったからです。
 前の晩はいつものように入山祝いをする。新兵器「ペッタン」の話題で盛り上がる。あまりにもおかしくて涙が出てしまう。いつかは試す機会があるだろう。
 明けて翌日、日原川に向かうが想像以上に増水している。これは誰か流されるかもしれないと思いながらも、緊張感溢れる訓練ができる最高の舞台が整ったわけなので訓練を決行する。
 最初は「末端交換三角法」による渡渉訓練をする。
突撃隊長の常世田がザイルの助けを借りて渡るが、流れが強く押し返されてしまう。何度か試みるうちに、渡れないのは確保側のザイルの張りすぎということが判明した。再度試みるとなんとか渡渉に成功する。セカンド以下は張られたザイルを頼りにして渡渉するが、トップに較べてなんと楽なことか。足が浮いてしまっても全然問題がなく、技術書に書いてあったことは本当だったんだと納得する。あの激流のなか笑って渡れるなんてウソみたいなホントの話です。トップを交代したりして何度か訓練したあと、末端の交換方法(スリングを残置する場合と回収する場合の両方)を確認して終了した。

 その後、訓練の成果を生かしながら日原川本流を遡行しようとしたが、ものの何百メートルも行かないうちに激流に阻まれて敗退してしまいました。
もとの場所にもどると、今度は「高巻き訓練」を開始しました。高巻きの典型的なパターンを想定して、トップが真っ直ぐ登ってからトラバースをしてザイルを固定しました。セカンドは不必要なランニングを回収しながら屈曲点まで登り、そこにザイルを固定し、トラバースをして終了点まで行きます。ラストは全てのランニングを回収しながら屈曲点まで行き、そこで「ターンバック方式」(「例のやつで」なんて言ってはいけませんよ西山君。マジメにヤレ!!Tバック方式でもないのだよ)に切り替えてから確保されてトラバースしました。

 文章だけでは解りずらいと思い図を載せようとしましたが、私のパソコン技術では無理でしたのでごめんなさい。いつか機会があったら会の皆さんへも実地訓練で紹介したいと思います。
 今年は、天気に恵まれずに悔しい思いが残ってしまいましたが、その代わりに貴重な訓練をすることができました。「そろそろ事故防止のために足元を固めたほうがいいんじゃないの」と言う天の思し召しだったんでしょうか。これで「渡渉」と「高巻き」に関しては、ゴル突の標準技術というべきものができたと思います。それをみんなで確認し合えたことがなによりの収穫でした。
 今回の訓練山行に参加してくれたメンバーに、そして貴重な訓練の場を提供してくれた日原川に感謝!!
「ああ!Tバック」間違えた「ああ!日原川」
  
三角法によるトップの渡渉
セカンド以下の渡渉
末端の交換作業

訓練メモ

「末端交換三角法」
 

1. トップはザイルに頼らずに半分流されながら行くと良い。
(ザイルをつかみすぎると固定点に引き寄せられてしまう。)
2. 確保側もザイルを張りすぎないようにする。
(予め、「ここ以上下流に流されたら張ってくれ」という限界点を確認しておく。)
3. セカンド以下は原則的に張られたザイルにセルフビレイを取らない。
(セカンド以下が流されてしまうような状況では、トップの渡渉は不可能との判断より。)
 
「ターンバック方式」
1. トップ以外の人は、セルフビレイ用とアッセンダー用のスリング、安全環付きカラビナを残して全てのスリングとカラビナをトップに渡す。
2. トップは屈曲点をしっかり判断し、そこには必ずランニングを取る。
3. セカンドは屈曲点の固定を忘れないこと。
4. ラストはトラバース部分は確保される。ノーマルな確保なのかターンバックによる確保なのかしっかり確認を取り合うこと。