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第一回ゴル突山行(定例山行)
場 所
日 時
メンバー 

:川内・下田:赤倉川
:7月22日(金)〜24日(日)
:松野(L)、常世田(S.L)、鈴木、矢野、本多

松野 記
第1日目(7/22)

下山予定地の笠堀ダムに深夜1:30頃に到着、恒例の入山祝いをするが、翌朝の8:00にタクシーを予約してあるため、早めにきりあげる。
 早朝、雨が降ってきたため目が覚める。午前中まで天気が悪いとの予報だったので、そのまま出発準備に取りかかる。この山域随一のヒル地帯に突入するため、防備は万全(のはずだった・・・)にして、タクシーに乗り込む。約一時間(料金17800円)で入渓点に到着する。
 中俣沢の時は、歩き出したとたんにあちこちから悲鳴があがったが、今回はどうも様子が違う。ヒルの姿が見えない。「今年はヒルの活動が鈍いぞ」と中俣沢の経験があるメンバーは安心した。
雨は徐々に激しさを増し、土砂降りになってきた。私はメガネに水滴が付き足元がよく見えなくなったことと、どうせヒルは出ないだろうと油断していた。しばらくすると最後尾を歩いていた本多から悲鳴があがった。そうこうするうちに、あちこちからヒル出現の報告(悲鳴)が聞こえてきた。
それからが猪木劇場の開幕であった。激しい雨音が猪木のテーマ曲に聞こえ、ヒルを相手に延髄蹴り(防虫スプレー)を連発する。私は気づいたら右手にたらたらと血が流れていた。流血し、ますます猪木化しながら、二又の川原に到着した。ヒルを点検したところ、一人20匹は出てきた。全てを退治し(たと思った・・・これが後で凄いことに)て、打ち合わせをしてから出発する。
 堰堤を一つ越えて降り立った赤倉川は、開放的な美しいゴルジュの渓であった。魚影も濃く、10メートルに一匹は岩魚の姿が見られた。これは上流はもっといるぞと思いながら、今宵の夕飯を楽しみにした。
気が付いたら雨は上がり、天気は回復してきたが、気温が低い。そのためかトップを行く常世田の動きが変だ。いつもであれば豪快に泳ぎで突破する所を、なぜかへっぴり腰でヘツリで行こうとする。渋滞している後続のメンバーから「常さん、変だ変だ!」と言われてもニヤニヤしながら水に入ろうとしない。そのうち、今年からゴル突正会員となった矢野が我慢しきれずに淵を泳ぎだした。突撃隊長の座を狙った行動だったのか!
 下部ゴルジュを抜けたところで昼食にする。松野は岩魚を釣り上げ今晩のおかずを確保する。
冷やし中華を食べている時に、松野と鈴木の間になにか上からコロンと落ちてきた。何かと思ったら、血を吸って丸々と太ったヒルだった。やられていたのは私で、首から出血していた。またまた猪木のテーマ曲が聞こえてきた。今日は私だけがヒルにやられている。ちくしょうー。しかし、「きっとだれか今吸われているぞ」と思い内心ニヤニヤしていた。
 昼食後、再び美しいゴルジュを魚影を見ながら行くが、獅子鼻滝を越えたあたりから見られなくなった。
日影沢の出合いを確認し、左岸に今宵の幕を張った。さて、「おかずを調達してこようか、きっと大漁だぞ。」と思い出かけるが、なんの音信もない。おそらく獅子鼻滝までの踏み跡を来た釣り人が上流部を釣って帰ったのだろう。魚止めの滝まで行って成果なしで帰ってきた。新鮮な刺身は食べられないが、途中で確保した岩魚で、蒲焼と岩魚汁と骨酒に満足した。
 早めに寝た私は本多の悲鳴で目が覚める。何事か!熊でも襲ってきたのか。以下、本多の説明「寝ようと思ってシュラフに入ろうとしたところ、太ももに「ブニョ」という感じがしたので、見てみると丸々と太ったヒルであった。悲鳴と共に気持ち悪いので、それを常世田に向かって投げつけた。」と言う事でした。寝ていて目を覚ました鈴木は、本多が常世田に襲われたと思ったらしい。。

第2日目(7/23)

今日の朝飯は、ゴル突では珍しくパスタが出た。会長らしく工夫を凝らしたメニューに、「さすが会長だなー」と思いました。
タバスコも持ってきてくれ、「よほど昨年のお米忘れを反省してくれたのだなー、ポケモンじゃないんだから進化させなくても良いことがわかってくれたんだなー」と思い、涙が出てしまいました。
 幕場を後にして遡行開始するが、今日は岩魚が出ているはずなので、釣りながら行く。予想は当り、昨日まったく魚影を見なかった魚止め滝までのわずかな距離で、二匹を釣り上げ今宵のおかずを確保した。
 魚止め滝を越えると連瀑帯になることが、わかっていたのだが、しばらく行くと予想を上回る規模の滝が連続して現れた。最初の10メートル直瀑は滝壺の左から取り付き、矢野がザイルをFIXする。抜け口の滑りそうな一歩が悪かった。矢野の適切な判断(中杉川での反省点が生きた)でザイルの方向を変えてあったため、後続は楽にアッセンダーで登る。
この滝の登攀では他に反省点あり。さらに直登不能な滝が現れ、大高巻きになる。できるだけ低く潅木帯ぎりぎりにルートを探しながら行くが、前方を見るとまだまだ滝が連続している。この調子でトラバースの高巻きを続けたら何時間かかるか予想できない。直登できる滝は直登しないと時間切れになる可能性があるため、沢床に降りられるのであれば極力降りるように方針変更する。
経験上遠くから見ると、とても登れそうになく見えても、近くまで行ってみると案外登れることがあるからだ。大高巻きから、なんとか沢床に降り、さらにいくつかの滝の直登と高巻きを混ぜながら、やっとのことで連瀑帯を突破した。途中1回だけ高巻きにザイルを使用したが、日原川での高巻き訓練と同じような状況であり、訓練の成果が発揮できた。ただし、ここでもいくつかの反省点あり。
連瀑帯を過ぎるとすぐにビバーク地として最適な、東又沢と西又沢の二又になる。すでに計画より半日も遅れているため、できるだけ先に進みたい。奥にまだ滝が見えている西又沢を右に見送り、東又沢に入ると沢床が赤い一枚岩になり、その綺麗な岩盤を水がさらさらと流れる美しい小川となった。
目の前には、杉川との分水嶺をなす尾根からスラブが沢床まで一直線につながり、厳しかった連瀑帯と対称的なこの光景に見とれてしまった。この桃源郷のような場所に今宵の幕を張った。

第3日目(7/24)

さて、今日は半日遅れている行動を取り戻して、笠堀ダムまで下山しなくてはならない。そのためには最後のツメで正確に、三方ガリとその南のピークとのコルに出なければならない。
 「ゴル突の興廃このツメにあり、各員一層奮励努力せよ」教祖の頭にZ旗が上がった。出発してまず杉川との分水嶺の尾根に至る支沢を左に見送る。ここで水を補給しておく。ここまでは絶対に間違っていないことを常世田と確認する。何回も後ろを振り返りながら、杉川との分水嶺の尾根との距離感を見ておく。それ以外は目標物なし。
ルンゼ状になってきたころ、地形図上では読み取れない二又にぶつかる。右を偵察に行った常世田から「一直線に右の尾根までいっている」という報告。杉川との分水嶺の尾根との距離感から決断する。左に行こう。
 最後は狭い岩溝状の苦しい藪こぎになり、そこを抜けると視界が開けてきた。常世田の「出たぞー」の声がして、登りきった地点はまさに三方ガリとその南のピークとのコルであった。誤差1メートル!
いつもならば、ここで握手を交わすところであるが、登山道など無い。これから反対側の沢を下降しなければならないのである。振り返ると灰ヶ岳が見えた。もう二度とこの景色は見られないかもしれないと思い、下降する前に目に焼き付けておいた。
 10時30分頃に下降開始。すり鉢状になった白いスラブをクライムダウンしながら中滝沢を下降する。一ノ倉沢のテールリッジから衝立岩にトラバースする場所ぐらいの傾斜があり、慎重に100メートルほど降りる。スラブを降り立った所に崩壊した雪渓があり、パズルを解くようにして通過する。
いくつかの滝を懸垂下降とクライムダウンし、水量が多くなってくると、釜を持った滝は飛び込みを交えて水泳大会をしながら光来出沢との出合いを目指した。
 14時頃に光来出沢との出合いに着き、ソーメンの昼食をいただく。白根沢の出合いまでは泳ぎを交えて沢通しに下り、途中から踏み跡を探して沢から上がる。しかし、これがいけなかった。思った以上に悪い道で、危険度が高い。怖い思いをしながら行くが、どんどん沢床から離れていく。戻るに戻れない。しばらく行くと大川との出合いが見え、下から石段が上がってくるあたりから道は良くなってきたのでホットした。
もうあの道は使わないぞ!見覚えのある湖岸道をダム目指していくが、昨年の大雨のためか、かなり荒れていて、歩きにくい。日も暮れてきたので、明るいうちにダムまで行けるか微妙なところであったが、無念、ダムまであと30分ぐらいの場所でついにヘッドランプが必要になった。
これまでのゴル突山行では、一度も無かったことである。湖岸道とはいえ一歩間違えればかなり危険な道であり、メンバーを危険にさらしてしまったのは、リーダーであり計画を立てた私の責任である。計画を鈴木氏に話したときに、二日目の行動計画の無理を指摘された。その助言を役立てられなかった私が悪いのである。
ヘッドランプを点灯してから30分ほどでダムに到着、次々に到着するメンバーと握手を交わし、山行の成功を喜び合った。急いで恒例の反省会場所に行き、生ビールで乾杯!
今回の赤倉川は、予想を上回る厳しさと美しさを秘めた素晴らしい渓でした。機会があればもう一度あの稜線から灰ヶ岳を見てみたいものです。今回の山行に同行してくれたメンバーに感謝、そして「桃源郷」よ永遠に、ああ!赤倉川


  
桃源郷にて
突撃係長奮戦する
連瀑帯を突破する
日影沢出合い上の幕場にて
桃源郷にて
今夜のおかず(岩魚)
突撃隊長の勇姿
三方ガリーにて

今回の山行における反省点メモ

・登攀具は正しい方法で使用する。(個人の問題)
・セカンド以下はスピード重視で行動する。(共通認識の徹底)
・訓練でやったことは確実に身につける。(個人の問題)
・高巻きでトップが空身で登った場合の荷物の回収 セカンドが登り終えた後に回収する。
・初めて参加するメンバーのために、また共通認識の確認として、定例山行の 前に訓練山行の実施が必要である。